Rhinocerosを使ったサーフェスモデリングの勘所パート3~断面線からサーフェスの作成編~
こちらの記事では、Rhinocerosでのサーフェスモデリングに取り組む際の重要点(勘所)をご紹介します。
Rhinocerosを使ったモデリング初心者の方が、「こんなことをまずは覚えるべきなのか」という雰囲気をつかんでいただければと思います。
いくつかモデリング工程ごとにステップがありますので、記事を分けて投稿しております。
過去の2つの記事は以下のリンクからご覧ください。
サーフェス作成用のカーブの定義
前回の記事~サーフェス構成の計画編~で、次の画像のように面積を大きめに作成した赤と水色のサーフェスを組み合わせることで、マウスの形を表現する事にしました。
![](https://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2024/01/image-2.png)
上面の赤いサーフェスには、中央を通る稜線と、それに付随する3本程度の断面線を定義することにします。
これは、マウスの前方側から順に、丸みが浅い→中間→深い3種類の断面定義にしていきます。
![](https://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2024/05/image-1024x507.png)
水色のサーフェス(筒形面)は、底面図形から傾斜をもたせて広がる形状で作成することにします。
![](https://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2024/05/image-1-1024x478.png)
上面サーフェス用のカーブの作成
Frontビューにて、マウス上面の稜線を【制御点指定曲線】で作成します。このコマンドは制御点を並べてカーブの起伏を決めていきます。
後工程のために、カーブ先端を長めに書いておくのがコツです。
![](https://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2024/05/image-2-1024x438.png)
この稜線のカーブが一番ふくらんでいる頂上の位置から、左右にまたがる断面線を書きます。
マウスを後方から見たRightビューにて、稜線カーブの一番出っ張った頂上の位置を四半円点snapにて検出してクリック。その位置がカーブの始点となります。
以降のカーブの書き方のポイントとしては、2点目の制御点を配置するときに[Shift]キーを押しながらクリックする事で、始点と水平位置を揃えています。
こうすることで、あとで反対側にカーブを【ミラー】コマンドで反転コピーした時に、中央に折れが出なくなります。
![](https://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2024/05/image-4-1024x259.png)
他の場所にも断面カーブを用意
![](https://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2024/05/image-7-1024x516.png)
Rightビューで作成したカーブを位置をずらして【コピー】しておき、制御点を適宜移動して曲げ具合を変えたカーブを用意します。
このようにRhinocerosでは「制御点」の要素を扱うことで、柔軟に形を調整することができます。
![](https://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2024/05/image-8-1024x345.png)
それら2本のカーブをPerspectiveビューで稜線のカーブの先端、後端の2か所に配置します。
また、【ミラー】コマンドで対称形のカーブにしておきます。
サーフェス作成
![](https://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2024/05/image-10.png)
用意したカーブを4本を用いて、【1レールスイープ】にてマウス上面を張ります。
![](https://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2024/05/image-11.png)
底面の図形を用いて、【押し出し(曲線をテーパ)】にて側面となるサーフェスを立ち上げます。
ここではこのまま出来上がったサーフェスを用いますが、もしこの時点でのサーフェスの形状が気に入らなければ、操作を取り消してカーブの起伏から制御点で調整し直すことになります。赤と青の2枚のサーフェスはお互いに交差し合っており、こういった状況をモデリング用語では「相貫」と呼びます。
![](https://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2024/05/image-13.png)
【トリム】コマンドで互いのサーフェスの余分な領域を切り落とすと、上図の状態になってきます。
赤と青の2枚のサーフェスの起伏の具合次第で、相貫線がどのような形状で出てくるかが決定します。という事はまた相貫の具合が気に入らなければ、カーブの段階まで戻って調整…となるのですが、Rhinocerosはサーフェスの起伏も制御点で調整することができます。
制御点でサーフェスの起伏を調整
![](https://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2024/05/image-14-1024x318.png)
【1レールスイープ】で作成された段階の上面サーフェスを選択して、キーボードの[F10]キーを押すと、サーフェスの制御点が表示されます。
カーブの制御点は選択するだけで出現しますが、サーフェスの制御点はF10キーで動作する【Points On】コマンドを使用しなければいけない事になっています。
(おそらくサーフェスの制御点は大量に発生することが多く、画面が煩雑になるので、このような仕様になっているのだと思われます)
![](https://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2024/05/image-15.png)
サーフェスに対して【リビルド】コマンドを用いると、サーフェスが保有する制御点数を好きなように変更できます。上図のように適当な数に設定してコマンドを実行します。
![](https://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2024/05/image-16.png)
少ない点数に変換しておけば、制御点を適宜引っ張ったり、押し込めたりすることで柔軟に起伏具合を調整できます。
Rhinocerosはカーブと同様に、サーフェスの起伏もやはり制御点の調整によって微妙な具合で変更できることで、曲面の表現に強いソフトと評価されています。
![](http://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2023/05/0d8664716e1f51bf26bca8a5f679e07f.png)
Rhinocerosでのサーフェスモデリング操作習得をサポート
Rhinocerosのモデリング習得を目指される場合、当社では操作講習を承っております。
当社では、過去20年以上に渡りRhinocerosの操作講習を開催している実績がございますので、効果ある操作研修をお客様に対してご提供いたします。
2day又は3dayのRhinocerosの基礎トレーニングでは、ここまでの記事でご紹介したカーブ、及びサーフェスを制御点によって調整する方法についても詳しく学習できますので、ご興味を持たれた方はぜひご受講いただければと思います。
![](http://dipross.co.jp/eng/wp-content/uploads/2023/04/a5b6e7b71e6767dde196fa04c99e3a7a.png)