3日でRhino上級レベルのサーフェスの取り扱いを習得!
Rhinocerosの開発元である米国McNeel社では、Rhinoを習得できる教育制度を2種類用意しています。
本日は、Rhinoアドバンスモデリングコースの詳細な内容についてご紹介いたします。
概要
Rhinoアドバンスモデリングコース(レベル2トレーニング)は、3日間で¥120,000のCAD操作トレーニングです。
受講される方は、3日連続で会社を抜けて弊社まで来ていただくことになりますし、ヒト1人の教育費用としては高額な商品になりますので、正確な内容を知った上でお申込みいただければと思います。
Rhinoのモデリングは連続性との戦い
Rhinoのモデリングでは、数枚の曲面サーフェスを結合させて製品全体を表現します。サーフェスの継ぎ目に折れがなく自然な印象でつなぎ合わせるには、曲線とサーフェスそれぞれに連続性についての知識と連続性を持たせるための操作が必要です。
Rhinoには面張りコマンドが数種類ありますが、それらを使い分ける方法を連続性の観点から選択できるようになるので、モデリング時の迷いやアプローチ方法の間違いが少なくなります。
他にも本トレーニングの練習問題には、高度なモデリングテクニックや、Rhinoのビューに三面図の画像を取り込んで、トレース→モデルの立ち上げといった実用的な作業方法のご紹介がございます。
また、ツールバーのカスタムやショートカットキーの設定方法などもご紹介し、まさにRhinoを使い倒すための教育内容となっております。
各単元の習得内容
Rhinocerosのカスタマイズ
CADで素早くモデリングするには、適切な手順でトライ&エラーを繰り返し、最適解にたどりつく方法のスピードアップが大事だと思います。モデリング中に何度も繰り返すコマンド入力の動作は、早ければ早いほど結果にたどりつく時間が早まりますのでいちいち実行ボタンを探さなくてもいいようにします。
以下、学習項目の箇条書きです
- ツールバーレイアウトの新規作成と保存
- コマンドマクロ
- コマンドエイリアス
- マクロエディター
- ショートカットキー
- プラグイン
- スクリプト
- テンプレートファイルの設定
NURBSトポロジー
サーフェスの縦横方向(UV情報)と特異点について学びます。そのことで筒状サーフェス、三角面・球体の取扱いについて理解が深まります。その他、トリムサーフェス・シュリンク操作を学びます。
- トポロジー(シーム/UV選択/スムーズ)
- トリムされたNURBS(トリム解除/シュリンク)
制御点を意識した連続性の構築方法
Rhinoのサーフェスは曲線から張っていきますので、まず曲線自体がきちんと作成できていなければ面の方も折れてしまいます。次数による曲率グラフの違い、連続性をもたせるというのはどういう事なのかを講義いたします。
その上で、カーブとサーフェスを滑らかに接続する方法を実践していただきます。
次数別の曲線を比較し、曲率グラフによりその違いを理解します
- 曲線とサーフェスの連続性(非連続、G0~G2)
- 曲線の連続性それを実現させる制御点の配置方法
- 図形の連続性(非連続の曲線に対し、G0~G2の連続性を与える操作方法、バルジ調整)
サーフェスの連続性
- サーフェスの連続性とMatchSrfコマンド
- ノット追加によるサーフェスマッチング時の調整、バルジ調整
- トリムサーフェスに対してのマッチング
連続性に考慮して使うサーフェスコマンド
面を張る際にどのようにサーフェス同士を滑らかにつなぎ合わせていくかという点に重点を置いてトレーニングを行います。
- 連続性を持つコマンド(NetworkSrf/Sweep2/Patch/Loft/BlendSrf)
- パッチオプション
- ブレンドオプション
- 可変半径フィレット
- 可変半径ブレンドと面取り
- パッチによるフィレット
ヒストリーを使ったモデリング
- ヒストリーの基本
- ヒストリ機能を重複して使用する例
高度なサーフェステクニック
身の回りの製品にある形状を、Rhinoではどのように作成するのかをご紹介いたします。
- ソフトコーナー(石鹸形状)2種類の作成方法
- ドーム型のボタン形状
- 車側面のように折り目のあるサーフェス作成
- 曲線フェアリングの手法によるサーフェス品質の調整
- インテーク形状のモデリング(フィレット分岐地点の処理方法)
- リビルドとフィットのコマンド
背景にイメージを使用する
デザインスケッチや写真からモデルを立ち上げる手順とその際の注意点についてご紹介いたします。
- 3方向の画像から製品のモデリングと最適なアプローチ方法の理解
2次元データを使う
- Adobe Illustratorファイルの読み込み(Air Cleaner)
- 作業平面の使用とフロー変形
2次元の図面からモデルを作る
- 曲線の端点を一致させ洗剤ボトルを作成
■サーフェスの解析
- サーフェスの解析(曲線の曲率を調整/エッジサーフェスの有用性/シンメトリコマンド)
■スカルプティング
- ルーズ設定を使用した面張り
- 制御点編集に役立つツール紹介(ドラッグモード設定/UVN移動/ウェイト編集)
- ダッシュボードのモデリング
■ダイレクト変形コマンド(UDT)
感覚的にモデルの一部を変形できるUDTコマンドというものがあります。
このコマンドを使うことで、複雑な立体形状を容易に作成できます。
- ケージ編集によるオブジェクト全体の変形(マグカップ)
- サーフェスによるケージ編集
- 曲線によるケージ編集
- ストレッチコマンド(レンチ)
- 曲面上に小さな装飾を変形配置(ティーカップ)
- マエストラム(ホイール)オブジェクトを曲線に沿ってフロー変形(リング)
ブロック
- インスタンスとブロック定義
- ブロックとしてファイルをインサート
トラブルシューティング
- ファイル修正のガイドライン
- ファイル修正ガイドラインの実践
ポリゴンメッシュ
- メッシュ作成の注意点
レンダリング
- Rhinoレンダーによるマテリアル設定
- 透明度/屈折率/HDR環境画像の設定
- 地平面/ライト/バンプマップ/の設定
以上のようにRhinoアドバンスモデリングコースでは、連続性の概念を理解した後にRhino上でのサーフェスの実践的な取扱い方法を多数学んでいきます。
これまでRhinocerosを独学で使われてトライ&エラーを繰り返されていた方も、理解度が深まることで次回モデリング時からの時間短縮とレベルアップに繋がります。
また弊社のRhinoトレーニングの最大の強みとしては、実務でモデリング作業を行っている社員が講師を担当いたしますので、Rhinocerosでこのような形状が作れるのか?といった疑問にもその場でできる限りお答えいたします。
以上、Rhinoceros・Grasshopper教育講師の勝間でした。