Adobe Illustrator→Rhinocerosデータ変換時の注意点
私の中のPostscript最強伝説が音を立てて崩れ落ちました。正確にはPDFですが…結構ショックです。orz…
この話は後ほどさせていただきますが、今日はadobeIllustratorで作成したデータをRhinocerosへ持っていく際の注意点について、お話しようかと思います。
ご存知の通りadobeIllustrator(以下AI)とRhinocerosの親和性は高く、DXFのようにぶつぶつ切れたりすることなくパスを利用できたり、色情報やレイヤー情報を持っていけたりと、便利に使えます。ところがAIにはいくつかバージョンがあるため多少ファイル形式を意識する必要があります。
今回はテストとしてAIで以下のようなデータ(信号機)を作成しました。
これを
- 最新バージョンCC
- 不朽の名作CS2
- 伝説のAIバージョン8
の3つの形式で書き出してそれぞれRhinoでインポートしてみました。
チェックポイントとしては
- 線の色情報の有無
- 塗り情報の扱い
- アートボード外のデータの存在
【結果】
- アートボードを意識したくないのであればバージョン8形式。
- 色情報が欲しければCS2以降。
- 塗りの情報は線データとして変換される。
- 線と塗りがある場合は二重線になる。
のようです。
特にアートボードの概念はAI独特ですので データ作成時には気をつけてください。
あと、レイヤーの名前が日本語の場合は化けますのでご注意を。
そして、私のPostscript最強という概念が大きく崩れ落ちたのはこの後でした。
AIで直径100mmで作成した円(真円)ですが、あたりまえですがRhinoで計測しても基本的に100mmです。ところが、これを45度回転させてから計測すると寸法が変わります。
ん???真円じゃないのっ?
この円の半径を念のためランダムに計測してみると…
全てR50にならなければいけないハズの数値が…
はい!みごとにバラバラです!どれだけ拡大してもジャギーが出ないPostscript。まさかの真円では無い説!
AI上では寸法精度の概念が弱いので寸法が狂ったのが、作成時なのか変換時なのかはわかりません。AIで言うところのアンカーポイントの箇所(上下左右4点)はわりと正確に寸法が出ていますが、Rhinoに変換したときにアンカーポイントの位置がずれています(数も増えています)どうやらAIのアンカーポイントの無い箇所(ベジェ曲線)の箇所の寸法が、大きくブレているようです。
デザイナー:「寸法ぴったり出しといたから、設計よろしく!」
設計者:「寸法出てないし。 チッ! トレースめんどい」
デザイナー:「いやいやいや….ん?そんなばかな!」(・・;)
なんて日常会話はこうして生まれるのですねぇ。
ちなみにこの寸法を入れたデータをRhinoからAIに書出すと、きちんと反映されていますので指示書の作成や2次元図面等に、安心してお使いください。
ちなみに、Postscriptは印刷するための言語なんです♪(たぶん…)
以上、設計者とよくぶつかる diprossデザイナー 川合でした。
PS:正確にはバージョン8まではPostscript言語、バージョン9~はPDF言語らしいです。