【FDM3Dプリンター】流行の高速造形は使い分けが大事

Raise3Dプリンターの新機種Pro3 HSが発売されてしばらく経ちました。ご購入いただきました方ありがとうございます。

Raise3D以外のメーカーでも高速造形に対応したFDM3Dプリンターの機種が昨今増えておりますが「なんでもかんでも高速造形」ではなく「用途に応じて使い分ける」が大切というお話がしたいと思います。

本題の前に・・・

先ほど高速造形のFDM機種が増えたと記入しましたが購入検討されている方に1点だけ注意点をお伝えしておきます。

高速造形がカタログスペック上できても実際にできるかは確認が大切

という点です。高速造形時にはノズルを早く動かす必要がありますので早ければ早いほど造形を安定させるのが難しくなります。3Dプリンターは求める品質以上の形が出せないと持っていても意味が無いので、高速造形でそのラインを超えられるものなのかは確認する事はとても大切なポイントとなります。

高速造形の使い分けについて

高速造形は業務効率化に繋がったり、従来は1発勝負だった期間でも一度テスト造形を挟めるようになるなど品質向上に寄与するものすごく便利な機能です。ですがなんでも高速造形できるわけでもありません。

①高速造形できない材料がある

3Dプリンター本体によりますが、通常造形で使用できる材料に対して高速造形で使用できる材料は減ったり、特定材料の高速造形ができる代わりに専用化されているなど材料選択の幅が狭くなる事が多いです。高速動作中に材料が適切に送り出されて適切に固まる必要がある為なんでも高速で造形するが難しいのが理由です。高速造形できない材料の場合は大人しく通常速度で造形する必要があります。

②綺麗に出しきれない形状がある

こちらが特にお伝えしたい内容となります。高速造形でPLAやABSを出せる機械が多く、通常造形でもPLAやABSをご使用の方が多いので「今までより〇倍速で出力されるならいいね!」となりますが、造形対象によってはそもそも求めるレベルで出力できないという場合があります。

高速造形が成立するように機械や材料共にチューニングされているのですが、

どうしても形状にダレが出がちです

仮に今まで10時間で作っていたものを5時間で作るとなると倍の速度でノズルが動く事になります。ノズルの先から吐出した材料をどんどん積んでいくのがFDMプリンターですので溶かした材料が固まった上に材料を積むことになります。倍の速度で動くとなると10時間で作っていた時と比べ倍の速度で層が積み重なるので形状が安定し辛くなります。また、高速で動く分機械が振動し造形に影響を与えやすくなります。その結果エッジの具合や曲面の具合など通常速度で造形していたものに比べて形がしっかり出きっていないように見える場合があります。

3Dプリンター本体の能力による部分があるのですべての機材でそうとは申しませんが、本ブログの著者が見たことがある高速造形は同様の傾向がありました。

形で使い分けよう高速造形

高速造形は素晴らしい機能ですので活用はしていった方が良いのは大前提です。高速造形するものしないものを線引きして3Dプリンターを使い分けていただくと高速造形機はとても便利なアイテムです。細かな意匠確認が必要なケースや高い精度が求められるケースで無ければ高速造形で対応できるものが大半ではないでしょうか。

弊社で取り扱っているRaise3Dプリンターも高速造形の機種がございます。サンプル造形のご相談も承りますのでご興味ありましたら是非お声がけ下さい。

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