Raise3D PRO2 デュアルヘッド造形のコツ①

 Raise3D PRO2はデュアルヘッドを持つ3Dプリンターです。
 右ヘッド、左ヘッドから別の材料の造形をさせることで2色造形や異種材での造形をすることができます。
 ただし、ヘッドが増える分、当然、造形の難易度が上がる為、今回はデュアルヘッドでの造形をする際のデータ作成や設定のコツをお伝え致します。

1.左右ノズルの位置確認

 デュアルヘッドでの造形をする際、まずZ方向のノズルの位置が同じになるよう調整はすると思います。
 アナログでの調整になりますし、シングルでの造形時もZ方向の確認はしますので、見落としにくいです。

 しかし、意外に見落としがちなのがX・Y方向の位置調整です。
 これはideaMaker上の設定から変更することができます。

 まず、Z方向の調整が終わったら、位置ズレがわかりやすい簡単な形状なものを造形します。

fig.1 私はこのようなデータを造形して位置確認をしています

 その後、出した造形品を測定し、X・Y方向のずれをオフセット値としてideaMaker上に設定します。

fig.2 プリンター設定内にオフセットの項目はあります

 これでずれを抑えることができます。

2.ワイプウォール・ワイプタワー

 ワイプウォールは材料の垂れを拭い、造形品に余計な材料を付けない様に守ってくれます。
 ワイプタワーも垂れを拭ったり、逆に垂れてノズル先端の材料がなくなり、出が悪くなったりする際に準備動作として材料を出すことができるので、造形時の切れ目の発生を防ぐ効果があります。

 どちらもデュアルで綺麗な造形をする為には、設定すべき項目になります。
(逆にシングルで造形する場合は、不要な設定でもあります)

fig.3 テンプレートの詳細設定内のにじみの中に項目があります

 このとき、初期設定ではワイプウォールの層数(ウォール・ループラインをワイプ)が『1』になっていますが、軟材を造形する場合は倒れが発生しがちな為、層数を『2』以上に設定しておいた方が安全です。

fig.4 造形終了時の見た目は悪いですが、ワイプウォールが造形品を守ってくれています

3.材料を常に出させる

 デュアルで造形する場合、その時、造形で使っていない側のノズル内の材料がノズル内で固着することがあります。 
 これは使ってない時間の間に材料が冷えたり、あるいは温まりすぎて先端が溶けて溜まったりすることが原因です。

 片方の材料だけが出る造形品の場合は材料を常に出させる為のダミー造形物を用意しましょう。

fig.5 この柱は右のノズルの材料を出させる為のダミー造形物

 ダミー造形物は小さくてもワイプウォール・ワイプタワーが書かれる為、それなりの量の材料を出し続けてくれます。

 材料は多く使ってしまいますが、固着の懸念のある場合は試してみましょう。

 今回はデュアル造形におけるコツをいくつか紹介させていただきました。
 これからも『これは効果があるな』というコツを見つけたらまとめて紹介していこうと思いますのでよければ参考にしてみてください。

エンジニアリング事業部からの最新情報をお届けします