透明な物の3Dスキャンについて

ディプロスでは3Dスキャナーを使用して受託での3Dスキャンサービスを行っております。そのため、スキャンを行う対象物のご相談も様々です。

その中で透明な物の3Dスキャンをご相談いただくこともございます。機材的に苦手としている材質のためスプレーの塗布を行わないと計測不可能とご案内させていただくこともございます。

今回はそんな 透明な物 の3Dスキャンについてご案内します。

なぜ透明な物を苦手としているのか?

弊社で使用する3Dスキャナーはプロジェクターで光線パターンを対象物に投影しそれをカメラで計測する仕組みです。光を透過してしまい物体の表面に光線パターンが現れないためカメラで計測することができません。また、3Dスキャナーでは透明な物以外にも金属やメッキなどの光沢物や黒い物など、光線を反射、吸収するものを材質的に苦手としています。ただし、中には光沢や黒い物について計測が行える3Dスキャナーもございます。

具体的にはどうなるのか?

今回は実際にペットボトルを3Dスキャンし、試してみます。

上の画像の様に透明なペットボトルの下半分にスプレーを吹き付けた状態のものを用意しました。こちらをHDI Compact スキャナーで簡単に計測してみます。

https://dipross.co.jp/eng/service/scanner/sales/hdi-compact

↓スキャン

3Dスキャンし、複数の角度から撮影した各ショットごとのスキャンデータの結合作業が終わると以下のようなデータが出来上がりました。 

スキャンデータを見てみるとスプレーを塗布したペットボトル下部(赤い線より下)はハッキリと3D形状が取得出来ています。薄く塗布されている箇所もあるため形状になっている部分もありますが、基本的には上部のスプレーが塗布できていない透明部分については位置合わせが満足に行えない。または形状として捉えられない品質の形状データとなってしまいました。

透明な物を計測するには

透明な物を計測するには上のような結果から計測用の光線を透過させないような処置が必要となります。対象物形状の取得が目的であれば上の様にスプレーを吹いて計測が可能ですが カラーデータの取得などが目的の場合には透明、半透明などの物は3Dスキャンが行えないので注意が必要となります。

3Dスキャンのご相談について

対象物の形状や今回のように素材によって機材の向き不向きや作業方法も様々です。現品のデータ化についてご希望の際には使用する機材や作業内容についてご提案させていただきますのでお気軽にご相談くださいませ。

https://dipross.co.jp/eng/service/3dscanning

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