QUICKSURFACE 2026 新機能のご紹介(その1)
QUICKSURFACE 2026 がリリースされました。
今回のアップデートは、目を引く新機能が追加されたというより、これまでの機能をベースに 少しずつ使いやすくなっている という印象です。
中でも、2026 では SIEMENS の Parasolid CAD カーネルが採用され、CAD 機能を中心に、形状編集の安定性や扱いやすさが向上しています。
この記事では、QUICKSURFACE 2026 で追加・改善された主な機能について、実際の操作がイメージしやすい形で紹介します。
今回はソリッド系ツールを中心にご紹介していきます。
Parasolid CAD カーネルの導入
QUICKSURFACE 2026 では、CAD カーネルとして SIEMENS Parasolid が採用されました。
Parasolid は多くの CAD ソフトで使われている実績のあるカーネルで、ソリッド形状の処理を得意としています。
これにより、フェース移動やフィレット、シェルといったソリッド編集が、以前よりも安定して行えるようになっています。
Parasolid の導入によって、ソリッド形状を保持したまま編集できる操作が増え、形状修正時の安定性も向上しています。
ここからは、Parasolid カーネルの採用を背景として追加・強化された CAD 機能を見ていきます。
フィレット機能の拡張(可変・三面フィレット)
2026 では、可変フィレット と 三面フィレット に対応しました。
エッジの途中で半径を変えたり、複数の面が交わる部分でも安定してフィレットを作成できるため、複雑な形状でも処理しやすくなっています。

シェル機能の追加
2026 では、新たに シェル機能 が追加されました。
これにより、サーフェスから作成したソリッドや、既存のソリッド形状に対して、肉厚を前提とした形状調整が行いやすくなりました。
たとえば、外形はすでに決まっていて、内部の肉厚だけを変更したい場合でも、形状を作り直すことなく対応できます。
厚み付けやオフセットと組み合わせることで、薄肉形状のモデリングや、後工程を意識した調整をよりシンプルな手順で行えるようになっています。

トリム機能の強化(スケッチによる分割)
今回のアップデートで、トリム機能が拡張され、スケッチを使ってサーフェスを分割できるようになりました。
これにより、サーフェスの一部だけを切り出し、その形状を押し出したり、複製したり、オフセットするといった操作が行えます。
従来は平面や別サーフェスを用意する必要があった作業が、スケッチベースで行えるようになり、作業手順が簡略化されています。

ドラフト/フェース移動
ドラフトやフェース移動といった機能が強化され、形状を保持したまま、製造条件に合わせた調整が行いやすくなりました。
ドラフト機能については、ドラフト角をスライダーで調整できるようになり、数値を入力しながら試すだけでなく、形状を確認しながら直感的に角度を決められるようになっています。
また、これまでは押し出し操作時にしかドラフトを設定できませんでしたが、2026 では ドラフト単体の機能として、後から適用できるようになりました。
任意の面を基準として指定し、その面に対してどの面をドラフトするかを選べるため、押し出し後の形状に対しても柔軟にドラフト調整が行えます。
フェース移動と組み合わせることで、形状を作り直すことなく、後工程を意識した微調整がしやすくなっています。

まとめ
QUICKSURFACE 2026 は、Parasolidカーネルの搭載に伴い、ソリッド編集の安定性が向上した印象です。
特に、フィレット機能では、可変フィレットにも対応し、QUICKSURFACE2025までは対応できなかった形状も作成できるようになりました。
その他、ドラフトの設定も自由度が上がり、使いやすくなった印象です。
目立つ機能追加はないですが、今まで少し不便に感じていた機能が強化されたことで、より多くの形状をモデリングできるようになりました。
サーフェス系ツールのアップデートも近日中にご紹介しますので、楽しみにお待ちいただけたらと思います。


