CrealityScan新機能「ガウシアンレンダリング」を実機検証!通常のカラーマッピングとの違いは?

弊社取り扱いの3Dスキャナの付属ソフトであるCrealityScanに新しく追加された「ガウシアンレンダリング」機能。

公式では「ガウシアンスプラッティング(Gaussian Splatting)」という最新の3Dレンダリング技術を採用し、従来のカラーマッピングよりもフォトリアルな3Dモデルを生成できると紹介されています。

しかし実際のところ、「どれくらい違うの?」「どんな被写体で効果があるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、実際にさまざまな素材の被写体をスキャンし、通常のカラーマッピングとガウシアンレンダリングを比較してみました。

ガウシアンレンダリングとは?

従来のカラーマッピングは、スキャン時に取得したRGB画像を3Dメッシュへ投影し、テクスチャとして色を表現する方式です。

一方、CrealityScanのガウシアンレンダリングでは、スキャン時に取得したRGB画像をもとに、ガウシアンスプラッティング技術を利用して3Dモデルをレンダリングします。

Creality公式では、次のような特徴が紹介されています。

  • より自然なライティング
  • 素材感の向上
  • フォトリアルな見た目

また、生成したモデルはPLY形式でエクスポートできます。

ガウシアンレンダリングの使い方

ガウシアンレンダリングの操作自体は非常にシンプルです。

通常のワークフローは、

点群生成
 ↓
融合(最適化)
 ↓
メッシュ化
 ↓
カラーマッピング

ですが、ガウシアンレンダリングではカラーマッピング完了後に処理を追加するだけです。

点群生成
 ↓
融合(最適化)
 ↓
メッシュ化
 ↓
カラーマッピング
 ↓
ガウシアンレンダリング

カラーマッピングが完了したら、「ガウシアンレンダリング」をクリックします。

あとは処理が完了するまで待つだけです。

生成後は通常の3Dモデルと同様に表示・確認でき、完成したガウシアンレンダリングモデルはPLY形式でエクスポートできます。

なお、ガウシアンレンダリングは通常のカラーマッピングを置き換える機能ではなく、カラーマッピング後に追加で実行するレンダリング処理となっています。

今回の検証環境

今回は、素材の違いによる変化を確認するため、以下の6種類の被写体を比較しました。

被写体主な素材検証目的
ビーナス像(3Dプリント・塗装)カラフルマット塗装樹脂マット素材での違いを確認
インスタントコーヒー(瓶入り)ガラス・金属・紙ラベル光沢素材での変化を確認
鋳物製リスのオブジェ金属金属の質感を確認
ぬいぐるみ起毛素材毛並みや布の質感を確認
観葉植物薄い葉薄い素材やライティング表現を確認
富嶽百景フィギュア彩色フィギュア細かな凹凸やライティング表現を確認

今回の検証で使用した3Dスキャナーはこちらです。

Creality Sermoon X1

なお、今回の比較は静止画だけでなく、CrealityScan上でモデルを回転させながら確認しています。

ガウシアンレンダリングの違いは、特にモデルを動かした際のライティング表現で分かりやすく感じられました。

ビーナス像(カラフルマット塗装)

最初に試したのは、3Dプリントしたビーナス像を塗装したモデルです。

まず感じたのは、

「思ったより違いが分からない」

ということでした。

静止画で比較すると、

  • 少し明るくなった
  • 少し色味が変わった

という印象はありましたが、劇的な変化は感じられません。

AIリテクスチャリングも試しましたが、こちらも期待していたほどの差は確認できませんでした。

この時点では、「ガウシアンレンダリングって本当に効果があるのかな?」というのが正直な感想でした。

小型フィギュア

小型フィギュアでも試しましたが、ブルーレーザーマーカーレスモードでは安定してスキャンできませんでした。

Crealityの公式サイトにも記載がありますが、ブルーレーザーマーカーレスモードは中~大型の対象物に適しているとのことで、小型フィギュアには向いていませんでした。

今回スキャンした小型フィギュアは体高4cmくらいのものと、4.5cmくらいのものでした。

そこで小型フィギュアに関しては通常のブルーレーザーモード(マーカー有)を使用し、

  • マーカー付きシート
  • 周囲にマーカーブロックを配置

という構成でスキャンを行いました。

対象物にはマーカーシールは貼っていません。

この方法で形状は取得できたものの、通常のカラーマッピングでは一部でテクスチャが伸びたり、位置がずれたりする現象が見られました。

その状態でガウシアンレンダリングを生成すると、点群が薄く見える箇所が多く、期待していたほどの改善は見られませんでした。

小型フィギュアでの検証を通じて、スキャン時に取得した形状データやカラー情報の品質が十分でない場合、ガウシアンレンダリングを適用しても劇的な改善は見られないということがわかりました。

あくまで取得できた情報をより自然に表現する技術であり、スキャン品質そのものを補完する機能ではないと感じました。

インスタントコーヒーの瓶

今回、特に違いが感じられたのがインスタントコーヒーの瓶でした。

ガラス瓶、紙ラベル、金属調キャップなど複数の素材が組み合わさった被写体ですが、ガウシアンレンダリングでは通常のカラーマッピングよりも光の当たり方が自然に表現されている印象でした。

静止画では、ガウシアンレンダリングの方が少し明るく見える程度です。

しかし、3Dモデルを回転させると光の反射やハイライトの見え方が変化し、「立体物」としての自然さが大きく向上していることが分かりました。

鋳物製リスのオブジェ

続いて試したのは、ややマットな質感の鋳物製リスのオブジェです。

こちらも静止画では大きな違いはありませんでしたが、モデルを回転させると違いが現れました。

通常のカラーマッピングでは、スキャン時のハイライトがそのまま貼り付いたような印象になります。

一方、ガウシアンレンダリングでは見る角度によって光の当たり方が変化し、金属らしい質感がより自然に感じられました。

ぬいぐるみ

起毛素材のぬいぐるみでも試してみました。

毛並みそのものの解像感が大きく向上するわけではありませんが、陰影やライティングの変化が自然になり、通常のカラーマッピングよりも立体感が感じられました。

金属だけでなく、布や起毛素材でも効果を確認できたのは興味深い結果でした。

観葉植物

最後に、社内で育てている観葉植物もスキャンしてみました。

葉脈のような非常に細かな凹凸までは再現できませんでしたが、光を透過するほど薄い葉でも形状を取得できました。

ガウシアンレンダリングでは、葉の表面に当たる光の見え方が自然になり、植物らしい柔らかな質感が表現されている印象です。

植物のような薄く繊細な素材でも一定の効果が確認できました。

富嶽百景の立体フィギュア

最後に、富嶽百景の立体フィギュアでも試してみました。

このモデルは細かな凹凸や彩色が施されており、今回の検証の中でも比較しやすい被写体の一つでした。

静止画では通常のカラーマッピングとの違いはそれほど大きく感じませんが、3Dモデルを回転させると印象が変わります。

ガウシアンレンダリングでは、光の当たり方に合わせて陰影やハイライトの見え方が変化し、立体感や素材感がより自然に感じられました。

特に細かな凹凸部分では、ライティングによる陰影が加わることで、通常のカラーマッピングよりも情報量が増えたような印象を受けます。

今回検証した中では、金属やガラスほど劇的な違いではありませんでしたが、「静止画では分かりにくく、動かすと違いが分かる」というガウシアンレンダリングの特徴を確認しやすい結果となりました。

検証して分かったこと

今回5種類の異なる素材で試してみた結果、ガウシアンレンダリングは「何でも劇的に変わる機能」ではありませんでした。

一方で、次のような傾向が見えてきました。

  • マットな樹脂モデルでは違いは比較的小さい
  • ガラスや金属ではライティング表現の違いが分かりやすい
  • 布や起毛素材では陰影が自然になる
  • 植物のような薄い素材でも光の表現が改善される

今回の検証から感じたのは、ガウシアンレンダリングは色や解像度を大きく向上させる機能ではなく、取得した情報をもとに光の当たり方や素材感をより自然に表現するレンダリング技術ということです。

また、今回の検証やこれまでの使用経験から、ブルーレーザーマーカーレスモードはカラー情報の品質が比較的高いと感じます。

形状だけでなくテクスチャ情報も利用して位置合わせを行うため、色や模様に特徴のある被写体では安定した結果になりやすい印象があります。

これは今回追加されたガウシアンレンダリングだけでなく、通常のカラーマッピングでも同様に感じています。

一方で、小さい対象物や赤外線モードが苦手とするような形状では、同様に苦手な傾向も感じられました。

まとめ

検証前は、「通常のカラーマッピングとの差はあまり分からないのでは?」と思っていました。

実際、マットなビーナス像ではその印象どおりでした。

しかし、金属やガラス、起毛素材、植物といった光の影響を受けやすい被写体では、3Dモデルを回転させた際のライティング表現に明確な違いがありました。

特にインスタントコーヒーの瓶は、その違いを最も分かりやすく確認でき、ガウシアンレンダリングの特徴を実感しやすい被写体でした。

また今回の検証では、スキャン時に取得したデータの品質が、ガウシアンレンダリングの仕上がりにも大きく影響することを実感しました。

ガウシアンレンダリングは、スキャン品質を後処理で補う機能ではなく、取得した情報をよりリアルに表現するためのレンダリング技術と言えるでしょう。

「すべてのモデルを劇的に変える機能」ではありませんが、ガラスや金属、布、植物など、光の影響を受けやすい素材では、その効果を十分に実感できる新機能でした。

今後は木材や革など、さらにさまざまな素材でも検証を行い、どのような被写体で最も効果を発揮するのか引き続き試していきたいと思います。

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関連ページ

今回の検証で使用した3Dスキャナはこちらです

Creality Sermoon X1 (ディプロスオンラインサイト)

今回使用したSermoon X1以外のモデルについては、こちらからご覧いただけます。

3Dスキャナ(ディプロスオンラインサイト)

今回はSermoon X1を使用しましたが、Crealityにはハンディタイプや高精度モデルなど用途に応じたさまざまな3Dスキャナーがラインアップされています。

用途に合わせて選びたい方は、製品一覧もぜひチェックしてみてください。

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