QUICKSURFACEのオートサーフェス、実は後から調整できる!?

3Dスキャンしたメッシュデータから、自由曲面を自動生成できるQUICKSURFACEの「オートサーフェス」。

自由曲面の多い形状をCAD化する際、サーフェスを一枚ずつ手作業で作成する工程を大きく省略できる便利な機能です。

一方、リバースモデリングの世界では、オートサーフェスのような自動生成されたサーフェスは、生成後の編集や形状変更が難しいというのが一般的な認識です。

ところがQUICKSURFACEでは、オートサーフェスで生成したサーフェスを「フリーフォーム」機能を使用して後から調整することができます。

今回は、この機能を実際に使って、どのような調整ができるのかを試してみます。

オートサーフェスとは?

オートサーフェスは、3Dスキャンしたメッシュデータから、自由曲面のサーフェスを自動生成する機能です。

通常、自由曲面形状をCAD化する場合には、断面スケッチを作成したり、3Dスケッチを作成したりしながら、ロフトやスイープ、フィルサーフェスなどを組み合わせてサーフェスを構築していきます。

形状によっては非常に手間のかかる作業ですが、オートサーフェスを利用すれば、その工程を大幅に省略できます。

特に、

  • 製品の外装
  • 自動車部品
  • 家電製品の曲面
  • フィギュアや造形物
  • その他の有機的な自由曲面形状

など、滑らかな曲面が多い形状との相性がよい機能です。

ただし、どのようなメッシュでも同じようにきれいなサーフェスを生成できるわけではありません。

元となるメッシュの状態や形状によって、生成結果は大きく変わります。

オートサーフェスに向いているメッシュの条件

オートサーフェスをきれいに生成するためには、元となるメッシュの状態も重要です。

今回のように、さらに生成後のサーフェスを調整することまで考えるのであれば、特に次のような条件が重要になります。

①できれば閉じたメッシュ

オートサーフェスを使用するのであれば、閉じたメッシュが理想的です。

穴や大きな欠損があるメッシュでは、サーフェスを適切に生成できなかったり、意図しない形状になったりする場合があります。

そのため、可能であればオートサーフェスを実行する前にメッシュ編集を行い、穴や欠損などを修正して、閉じた状態にしておくのがおすすめです。

②閉じることが難しい場合は、境界エッジをきれいにする

実際のスキャンデータでは、必ずしも完全な閉じたメッシュにできるとは限りません。

その場合でも、少なくとも開口部の境界エッジがきれいに整っていることが重要です。

境界がギザギザしていたり、不要な凹凸が多かったりすると、その状態がオートサーフェスの生成結果にも影響する可能性があります。

必要に応じて、オートサーフェスを実行する前にメッシュ編集を行い、境界部分を整えておきましょう。

③有機的で滑らかな自由曲面形状

そして、オートサーフェスと特に相性がよいのが、有機的で滑らかな自由曲面形状です。

逆に、

  • シャープなエッジ
  • 明確な角
  • 急激な曲率変化
  • 細かな凹凸が連続する形状

などを多く含む形状では、エッジや細かな形状を意図した通りに再現することが難しくなります。

こうした形状では、オートサーフェスだけに頼るのではなく、通常のサーフェス作成やソリッドモデリングと組み合わせたほうが適している場合もあります。

そもそも「フリーフォーム」とは?

次に、今回のポイントとなる「フリーフォーム」について簡単に説明します。

QUICKSURFACEのフリーフォームは、四角形のサーフェスをベースに、点やエッジを操作しながら自由曲面を構築していくための機能です。

まず任意の四角形サーフェスを配置し、それを分割しながら、頂点やエッジなどを動かして形状を整えていきます。

このとき、3Dスキャンしたメッシュにスナップさせながら点を配置できるため、メッシュの形状に沿わせるようにサーフェスを構築していくことができます。

さらに、メッシュとの偏差を確認しながら調整できるため、「どのくらい元のスキャン形状に沿っているのか」を確認しながら作業できるのもポイントです。

一般的なCADのように「この寸法を50mmから55mmに変更する」といった寸法ベースの編集とは異なり、実際の形状を見ながら直感的に自由曲面を構築・調整していく機能と考えると分かりやすいでしょう。

そして今回注目したいのが、このフリーフォーム機能をオートサーフェスで生成したサーフェスに対しても使用できるという点です。

では、実際に操作してみます。

実際にオートサーフェスを編集してみる

まずは通常通り、メッシュデータからオートサーフェスを生成します。

このとき、メッシュに穴や欠損があったり、境界エッジが乱れていたりする場合は、必要に応じて事前にメッシュ編集を行っておきます。

オートサーフェスが生成されると、オブジェクトツリーに「自動サーフェス」というオブジェクトが作成されます。

この「自動サーフェス」を、

ダブルクリック

または

右クリック → 編集

すると、フリーフォームの編集画面が開きます。

ここから、生成されたサーフェスの形状を調整していくことができます。

今回は一部、偏差が出てしまっている箇所を修正してみます。

実際に操作してみると、少し操作が重たい印象はありますが、2~3000ポイント程度の制御点数であれば基本的には問題なく操作できます。

オートサーフェスで生成したサーフェスに対して、今回のように部分的に偏差が出ている箇所の修正を行ったり、少し形状の変更をしたい場合などに活用できます。

「編集できる」とはいっても、通常のCADとは違う

今回紹介している機能は、オートサーフェスで生成したモデルを通常のCADモデルのように自由に編集できるようにするものではありません。

例えば、通常のCADでスケッチを作成して押し出した形状であれば、スケッチの寸法を変更することで、形状を意図した寸法に変更できます。

一方、オートサーフェス+フリーフォームの場合は、生成された自由曲面そのものを調整していくイメージです。

そのため、

「寸法を変更して設計意図に沿って形状を再構築する」

というより、

「生成されたサーフェスをベースに、形状を後から微調整する」

という使い方が適しています。

また、この編集はあくまでQUICKSURFACE内のフリーフォーム機能を利用したものです。

編集可能な履歴ベースのCADフィーチャーが生成されるわけではないため、その点は通常のCADモデリングとは異なります。

オートサーフェスの後編集はどんなときに便利?

では、この機能は実際にどのような場面で役立つのでしょうか。

例えば、スキャンした製品をそのままCAD化するだけではなく、

「スキャンデータをベースに、少し形状を変更したい」

というケースです。

例えば、

  • 左右のバランスを整えたい
  • 一部分だけ少し膨らませたい
  • へこみを少し修正したい
  • スキャン時の細かな凹凸を整理したい
  • 元の形状をベースに、少しデザインを変更したい

といった用途です。

このような**「ゼロからCADモデルを作り直すほどではないけれど、スキャンした形状をそのまま使うのも少し違う」**という場面では、フリーフォームによる調整が便利です。

まとめ

オートサーフェスは、3Dスキャンしたメッシュデータから自由曲面のサーフェスを自動生成できる便利な機能です。

一方で、リバースモデリングでは一般的に、オートサーフェスで生成したサーフェスは後から自由に編集することが難しいとされています。

今回紹介したQUICKSURFACEでは、オートサーフェスで生成したサーフェスをフリーフォームで開き、形状を後から調整することができます。

ただし、これは通常のCADにおけるパラメトリック編集とは異なります。

今回のポイントをまとめると、

  • オートサーフェスは自由曲面形状のCAD化に便利
  • 閉じたメッシュが理想で、難しい場合でも境界エッジをきれいにしておくことが重要
  • 滑らかで有機的な形状ほどオートサーフェスと相性がよい
  • 細かすぎる形状や急激な曲率変化がある形状では難しくなる
  • オートサーフェスで生成したサーフェスをフリーフォームで調整できる
  • ただし、通常のCADのような寸法変更・履歴ベースの編集とは異なる
  • あくまでQUICKSURFACE内での形状調整として考えるのが適切

という特徴があります。

「オートサーフェスで作ったけど、あとからちょっと形を調整したい」

という場合には、一度フリーフォームでの編集を試してみる価値がありそうです。

今回のような機能は、カタログや機能一覧だけではなかなか分かりにくい部分でもあります。

実際に触ってみると、「こんな使い方もできるんだ」という発見があるのも、リバースモデリングソフトの面白いところですね。

関連記事

QUICKSURFACEについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

QUICKSURFACEの基礎を学びたい方はこちら

QUICKSURFACEを使ったリバースモデリングの基本操作から、スキャンデータをCAD化するための考え方まで学べる基礎講習をご紹介しています。

QUICKSURFACE基礎講習のお知らせ

QUICKSURFACE 2026の新機能についてはこちら

QUICKSURFACE2026で追加された新機能についてご紹介しています。

QUICKSURFACE 2026 新機能のご紹介(その1)

QUICKSURFACE 2026 新機能のご紹介(その2)

エンジニアリング事業部からの最新情報をお届けします