QUICKSURFACEとQUICKSURFACE for SOLIDWORKSの違いを検証|同一データでリバースモデリングを比較

弊社ではいくつかのリバースモデリングソフトを取り扱っていますが、その中でも「QUICKSURFACE」と「QUICKSURFACE for SOLIDWORKS」の違いについて質問を受けるケースは少なくありません。

どちらもメッシュデータからCADモデルを作成できるソフトですが、実際の作業工程においては操作フローや機能の使い方に違いがあります。

そこで本記事では、同一のメッシュデータを使用し、同じ工程でリバースモデリングを行った場合にどのような違いが生じるのかを検証します。

なお、今回の比較では、メッシュの編集およびアライメントは事前に完了したデータを使用し、モデリング工程そのものの違いに焦点を当てています。

本記事では、断面抽出からスケッチ作成、ソリッド作成、サーフェス作成、ソリッドの詳細形状部分の作成など、実際の操作フローに沿って使用できる機能の違いを整理していきます。

メッシュデータのインポート

まずはメッシュデータのインポートです。

こちらに関しては、インポートできるファイルの種類、インポート方法などに特に差はないです。

断面抽出~スケッチ作成

つづいて、同一メッシュから断面を作成し、スケッチ化して押し出し形状を作成する工程で比較します。

QUICKSURFACEでは、「2Dスケッチ機能」内で以下の操作を行うことができます。

  • 断面抽出
  • メッシュへのフィット
  • 寸法拘束・幾何拘束の付与
  • 偏差確認

これらの工程を、同一の機能内で一連の操作として進めることが可能です。

また、スケッチ作成とあわせて偏差(メッシュとのずれ)を確認できるため、作成したスケッチと元データとの一致度をその場で把握しながら作業を進めることができます。

QUICKSURFACE for SOLIDWORKSでは、同様の工程が複数の機能に分かれます。

  • QUICKSURFACE for SOLIDWORKSの交差断面コマンドで断面作成
  • SOLIDWORKSで2Dスケッチ作成
  • QUICKSURFACE for SOLIDWORKSで2Dスケッチフィット
  • SOLIDWORKSで寸法拘束・幾何拘束

このように、各工程ごとに機能を行き来する必要があります。

また、スケッチに対して偏差を直接確認する機能は用意されていないため、フィット後の形状がメッシュとどの程度一致しているかを、スケッチ単体で把握することは難しい構成となっています。

スケッチ~押出形状作成

つづいて、作成したスケッチをもとに、押し出しによってソリッド形状を作成する工程を比較します。

QUICKSURFACEでは、作成したスケッチからそのまま「押し出し機能」を使用することができます。

主な特徴として、以下のような操作が可能です。

  • 押し出し長さの数値指定、矢印での調整
  • メッシュへのスナップによる押し出し終点の指定
  • ドラフト(テーパー)付き押し出し
  • リアルタイム偏差解析

押し出し操作中にメッシュとの偏差を確認できるため、押し出し量やドラフト角度を調整しながら、元データとの位置関係を把握することができます。

メッシュへのスナップによる押し出しについてもリアルタイムで偏差を確認しながら押し出し位置を指定できるため、効率的に作業が行えます。

QUICKSURFACE for SOLIDWORKSでは、作成したスケッチをもとにSOLIDWORKSの「押し出しボス/ベース機能」を使用して形状を作成します。

そのため、

  • 押し出し長さの指定
  • ドラフト付き押し出し

といった一般的な押し出し操作は、SOLIDWORKSの機能として行うことができます。

一方で、メッシュに直接スナップして押し出し終点を指定する機能はないため、QUICKSURFACEと同様のメッシュまでの押出を行いたい場合は、あらかじめメッシュから平面を作成し、その面を終端として指定する必要があります。

また、押し出し操作中に偏差を確認することはできないため、必要に応じて簡易比較機能を有効にした状態で形状作成後に確認を行います。
より詳細な評価については、偏差解析機能を使用する形になります。

ロフト用ダミー面の作成

ロフトサーフェス作成の準備として、2つのダミー面を作成します。
1つは既存ソリッドから抽出・オフセットした面、もう1つはスケッチをもとに作成した面です。

QUICKSURFACEでは、以下の手順でダミー面を作成します。

  • ソリッドから「オフセット機能」で選択したサーフェスのみオフセットを行い、サーフェスを作成
  • スケッチを作成し、「2Dスケッチからサーフェス作成機能」でサーフェスを生成

QUICKSURFACE for SOLIDWORKSでは、SOLIDWORKSのサーフェス機能を使用して作成します。

  • SOLIDWORKSの「オフセットサーフェス機能」でオフセット面を作成
  • スケッチを作成し、「フィルサーフェス機能」でサーフェスを生成

この工程では、サーフェス作成に関しては主にSOLIDWORKS側の機能を使用する形になります。

ロフトサーフェスの作成

作成したダミー面をもとに、ロフト機能を使用して形状を生成する工程を比較します。

QUICKSURFACEでは、「ロフト機能」を使用して、複数のエッジや断面間を補間するサーフェスを作成します。

主な操作としては、

  • ダミー面のエッジに対する連続性(接線・曲率)の設定
  • ガイドカーブの指定

などが可能です。

また、サーフェス作成時に偏差を確認することができるため、生成された形状とメッシュとの一致度を確認しながら調整を行うことができます。

QUICKSURFACE for SOLIDWORKSでは、ロフトサーフェスの作成にSOLIDWORKSの「ロフトサーフェス機能」を使用します。

そのため、

  • エッジに対する連続性の設定
  • ガイドカーブの指定

といった基本的な操作は同様に行うことが可能です。

一方で、ロフト作成時に偏差を直接確認することはできないため、形状作成後に比較機能や偏差解析機能を用いて確認を行う流れになります。

ダミー面の削除

QUICKSURFACEでは、「フェース削除機能」を使用して、不要なサーフェスを選択し削除することができます。

ロフトサーフェス作成後であっても、対象の面を直接削除することが可能です。

QUICKSURFACE for SOLIDWORKSでは、ダミー面を履歴ツリー上で削除すると、その面を参照して作成されたロフトも同時に削除されます。

これは、ロフトサーフェスがダミー面のエッジを参照しているためで、参照関係を維持したまま削除することはできません。

そのため、QUICKSURFACE for SOLIDWORKSでは、履歴は残ってしまいますが、ダミー面は削除せず、非表示で残しておきます。

上部の凹み形状の作成

上部の凹み形状を作成する工程では、両者でアプローチが異なります。

QUICKSURFACEでは、凹み形状を作成したい平面に対してスケッチを作成し、そのスケッチを用いてサーフェスを分割します。

その後、分割されたサーフェスをマニピュレーターで移動させることで、ソリッド形状を維持したまま、周囲の面を追従させながら形状を変形させることができます。

この方法では、スケッチ形状を基準にしつつ、面の移動によって凹凸形状を調整するという操作になります。

QUICKSURFACE for SOLIDWORKSでも、スケッチを用いたサーフェスの分割までは同様に行うことができます。

一方で、分割した面を直接移動させて形状を変形することはできないため、凹み形状を作成する場合は、別の方法で形状を定義する必要があります。

具体的には、

  • 凹み形状となるソリッドを別途作成し、ブーリアン演算(差)で除去する
  • もしくは、押し出しカット機能を用いて形状を削除する

といった手順で対応します。

まとめ

本記事では、モデリング工程に沿った機能比較はここまでとします。
ここからは、今回の検証を踏まえて両ソフトの機能差を整理していきます。

QUICKSURFACEでは、今回ご紹介したすべての工程をソフト内で完結して行うことができます。
スケッチ作成からサーフェス生成、ソリッド化まで一連の操作が統合されており、各工程で偏差を確認しながらモデリングを進められる点が特徴です。

一方、QUICKSURFACE for SOLIDWORKSでは、モデリングに関する機能(スケッチ拘束、押し出し、サーフェス構築、ブーリアンなど)は、基本的にSOLIDWORKSの機能を使用します。
そのため、操作はSOLIDWORKSのワークフローに準拠し、QUICKSURFACEのように一連の工程の中で常に偏差を確認しながら進めることができる場面は限られます。

また、QUICKSURFACE for SOLIDWORKSの機能で作成したオブジェクト(フィットサーフェスや3Dスケッチフィットなど)についても、履歴はSOLIDWORKS側で管理されるため、QUICKSURFACE for SOLIDWORKSの機能として再編集できないケースがある点には注意が必要です。

一方で、QUICKSURFACE for SOLIDWORKSはSOLIDWORKSのアドインとして動作するため、

・既存の設計データと同一環境で扱える
・フィーチャーツリーを含めた履歴ベース設計と親和性が高い
・リバースモデリング後の設計変更や流用設計にそのままつなげやすい
・SOLIDWORKSの解析機能やアセンブリ環境と連携できる

といった点が大きなメリットです。

すでにSOLIDWORKSを中心とした設計フローが構築されている環境では、データの受け渡しや変換を挟まずに作業を進められるため、全体の運用効率という観点では有効な選択肢となります。

対してQUICKSURFACEはスタンドアロンで動作する完結型のリバースモデリングソフトであり、メッシュ編集からモデリングまでを一貫して行える点が強みです。
今回ご紹介していないメッシュ編集機能も含め、多くの工程でリアルタイムに偏差を確認できるほか、2026バージョンではCAD機能も強化されており、シンプルな操作性と必要十分なモデリング機能を兼ね備えた、バランスの良いソフトとなっています。

今回の比較を通して、QUICKSURFACEとQUICKSURFACE for SOLIDWORKSは、同じリバースモデリングでもアプローチが異なることが分かります。

リバースモデリング作業そのものを一貫して行いたい場合はQUICKSURFACE、
既存のCAD環境と連携しながら活用したい場合はQUICKSURFACE for SOLIDWORKSといったように、用途に応じた使い分けが重要になります。

本記事が、ソフト選定の参考になれば幸いです。

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