3Dスキャナー『HDI Carbon』を活用したヘルメットのリバースモデリング

固定式の3Dスキャナー『HDI Carbon』でヘルメットをスキャンし、ZBrushやRhinocerosを活用したリバースモデリングの事例をご紹介します。

HDI Carbonの特徴

3Dスキャナーも数多くの種類があり、いざ購入しよう！レンタルしよう！と思っても何を選べば良いのかわからない…という方も多いと思います。弊社で販売しているカナダPolyga社のHDIシリーズは、非接触のカメラ式スキャナーです。真ん中がプロジェクターになっていて、プロジェクターから被写体に縞模様のパターンを投影し、左右に付いているカメラで縞模様のゆがみを測定するというものになります。

HDI Carbonの良いところは、

0.05ｍｍの高精度
1ショット1秒のハイスピードスキャン
自動位置合わせで楽々スキャン
形状だけでなくカラー情報も取得可能
コンパクトな設計で持ち運びしやすい　　　です。

ハンディスキャナーや接触式のスキャナーも多くありますが、1メートル以下くらいのサイズのものを精度良く簡単に3Dデータ化したい！という方は、非接触の固定式スキャナーがお勧めです。値段は高精度になればなるほど高くなりますので、オーバースペックにならないよう、活用用途をしっかり考えた上で選定された方が良いと思います。

　　　　

ヘルメットのリバースモデリング

3Dスキャナーは、重要文化財のデータ保管や手計測が困難な製品の寸法出しなど活用用途は様々ですが、今回は既製品のヘルメットをスキャンし、CADデータ化を行うまで流れをご紹介します。

非接触のスキャナーは黒色、透明、光沢があるものを苦手としています。ヘルメットは少し光沢があるため本来はスキャンに向いていない対象物ですが、ある程度参照にする程度のものがあれば十分だったためそのままスキャンしました。

光沢が影響し、ノイズや細かい穴が出てしまったためZBrushでメッシュを修正します。（白い粉のスプレーを吹き付けても問題ない場合は、かなりきれいなデータが取得できるのでお勧めです。）
ZBrushは本来スカルプトソフトですがメッシュ編集ソフトとしても非常に優れています。穴埋めはもちろん、ペンタブレットで感覚的にスムースをかけることができます。

修正したメッシュを元にRhinocerosのプラグイン「Mesh2Surface」を使用します。「Mesh2Surface」はRhinocerosのプラグインソフトで、サーフェス化を行うのための便利な機能が揃っています。その中の3Dスケッチという機能を使うとメッシュに直接スケッチを描くことができます。ヘルメットのような有機的な形状には大変ありがたい機能ですね。

必要になる箇所にどんどんラインを引いていきます。ヘルメットの面構成が複雑なため、ラインのみRhinocerosに持っていきます。ラインを微調整しながら面を構築して完成になります。

1からモデリングするとかなり時間が掛かる複雑な形状をしたヘルメットですが、3Dスキャナーを活用すると作業時間がかなり短縮されますし、正確なデータを取得することが可能です。また、リバースエンジニアリングソフトを検討しているが高額なものは手が届かない…という方は、まずMesh2Surfaceから始めてみるのも良いかもしれません。

3Dスキャナー・ソフトウェア販売のご案内

本日ご紹介しました3Dスキャナーの『HDI Carbon』、ソフトウェアの『ZBrush』『Rhinoceros』『Mesh2Surface』は弊社で販売しております。HDI Carbonは実機を持ち込んでのデモンストレーションや、サンプルスキャンなどさせていただきますので、ご要望がございましたらお気軽にご連絡ください。

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