Unreal Engine(ノンゲーム)社内導入推進でありがちな事
本ブログをご覧いただきありがとうございます。営業の清水と申します。
弊社はUnreal Engineを使用した開発請負やUnreal Engine社内活用推進の為の教育をさせていただいております。私は営業として社内でのUnreal Engine導入推進の為にお客様とともに行動させていただく事が多いのですが、そんな私から
「製造業のお客様がUnreal Engineを導入推進する上でありがちな事」
についてお伝えしたいと思います。
導入を推進していく上でお客様先で発生している例を共有させていただき、今後導入検討される方のお役に立てたら幸いです。
インストール問題
PCに何かをインストールする場合に各企業様で様々なルールを定めているかと思います。セキュリティの観点から自由にインストールできない企業様が大多数なのではないかと思いますが、この段階で社内申請が必要になるのはもちろんですが、状況によっては使用できるようにするためにルールの改定をするなどの取り組みが必要になります。
Unreal Engineに限らず何かを新しくインストール際には発生する事象になりますので豊かなUnreal Engineライフを送る為にも頑張って対応していきましょう。
基本的なインストールの流れ:https://docs.unrealengine.com/5.0/ja/installing-unreal-engine/
PCやネットワークに制限がかかっていたりすると手順のどこかで上手くいかない場合がありますので、利用したいタイミングが決まっているのであれば余裕を持って担当部署の方にインストールの相談をしておくと安心です。
また、ネットワークを介したマルチプレイやPixel Streamingを使用する場合や、PCにVRゴーグルなどを接続する事を考えていらっしゃる場合も事前に担当部署の方と相談しておくと後で手間が無いかと思います。
誰がどうやって覚えるか問題
Unreal Engine経験者を採用するか、素養や意欲のある人間が使えるようになる為の時間や機会を捻出する必要があります。ここを頭に置いて動かないとUnrealEngineをインストールしたけど日常業務を優先していたら結局有効活用できていないパターンが発生します
そんなパターンを防ぎ、活用の手助けになるように我々もコンテンツ作成のお手伝いや教育をさせていただいております。
様々な事を実現していこうと思うと常に学習や研究が必要になりますので、色々と発展させていくのであればその為の体制をしっかりと作っていく前提で考えていく必要があります。
決裁者に如何に伝えるか問題
活用を進めるなかで決裁者への許可取りが必要になるタイミングが出てきます。
・Unreal Engineをインストールして社内ツールとして使う為に
・Unreal Engineの学習時間や学習費用を捻出する為に
・Unreal Engineで外部にコンテンツを作ってもらう為に
・PCやHMD等のデバイスをUnreal Engine用に購入する為に 等々
現場としては検討の結果どんな使い方ができるかイメージできますが、上申すると「やる意味ある?」「入れる意味ある?」「費用対効果ある?」といった話が出てきます。既存のツールでできる事を代替するのであればよっぽど維持コストが下がらない限り意味は無いかと思いますが、既存のツールでやれない事をやる為にUnreal Engine入れる場合はやる意味も費用対効果もある場合が多いと思います。
しかし、それが上申時に上手く伝わらないというご相談を多くいただきます。
伝わらないパターンとしては決裁者に売り上げ増やコストダウンによる利益増につながる点が説明できていないなんてこともありますが、「決裁者がUnreal Engineで成せることがイメージできない為、認識が合わず話が進まない」ケースが多く見受けられます。
具体的に言えば自社においてどのような効果を発揮するかのイメージが持ってもらえないのです。
何らかの事例を説明するとしても自社と関連がある事例でない場合は決裁者も心を動かされるようなイメージが湧かず決裁に至らないケースが発生します。ですので上申をする際は具体的なイメージが伝えられるものを準備する事が大切です。
お客様の例としては
①ハマる事例があった際は他社での活用事例を示す
②Unreal Engineを触れるよう学習し、実際にプロトタイプを作成して具体的にどんなものを作るのかを見せる
③残予算や研究費、開発費等から費用を捻出し、外注してプロトタイプを自社商品データで作る
①があると分かりやすくて良いのですが、都合よく事例が入手できない場合は②や③の対応をして上申をするお客様が多いです。
ちなみにプロトタイプを作成して上申した場合は「早々に是非やろう!」と決裁が下りるパターンがほとんどな印象です。
※Unreal Engineでやろうとしている事自体が有効であるという前提です
活用が軌道に乗り始めた後の体制問題
製造業においてUnreal Engineの活用が進むと活用したい部門が増えてきます。
活用が進むと部署を横断した動きが必要になってきます。そうなった際に体制を整えるのに苦労されるケースがあります。
・どの部署が音頭を取るのか
・コンテンツの制作はどこの誰が行うか
・外注を使用したりハードウェアを購入する場合どの部署の予算で行うのか 等々
Unreal Engine導入により新たなワークフローが誕生するとそれに合わせて組織体制を整えていく必要があります。何かと活用を始めた部署に他部署が頼ってしまい、活用を始めた部署に負荷がかかりがちな印象がありますので、せっかく生まれた新たなワークフローが滞る事の無いよう上層部の方も含めてしっかりとコミュニケーションをとり体制を構築する事をお勧めいたします。
企業様によってはUnrealEngineに関わる業務を社内横断して対応するチームを構築していらっしゃる場合もあります。
外部の力も借りて体制構築したいお客様は是非弊社にもお声がけ下さい。
Unreal EngineやCGに疎い方からの指示出しで起こる問題
活用が進み関わる部門が増えてくると内部の開発者様もしくは外注業者に各部門の方から要望や指示が出てくるようになります。
これを書いている私も営業職なので実際にUnreal Engineで作業する人間ではないので恐縮ですが、関わる人間が様々になってくるとUnreal EngineやCGに知見の無い方からの指示が出るようになり、業務進行が無茶苦茶になるケースがあります。
・制作にかかる時間が分からない(急に頼んでもどうにかなるだろう。指示出し遅れてるけどどうにかしてくれるだろう。)
・修正にかかる時間が分からない(とりあえず作ってもらって意見言えばいいだろう。このくらいの内容すぐ直るでしょ?)
・やりたい事が実現できるかのあたりがつかない(とりあえず大体の事できるんじゃないの?)
Unreal EngineやCGに疎い方でもほかの分野ではプロフェッショナルですので、互いの領域で活躍していけば問題はないのですが、業務進行が無茶苦茶にならないような基本的な枠組みは作る必要があります。特に内部で開発体制を作る場合、周りが無茶苦茶な事ばかり言っているとせっかく立ち上がったチームのメンバーが退職してしまい体制が崩壊することだってあります。
各部門にある程度理解のある方(開発ができる必要はない)を育成する事や、何か依頼を出す際には勝手に決めずに必ず事前相談してあたりをつけるようにする等のルールを作って互いに気持ちよく仕事ができる体制を作る事をお勧めします。
おわりに
お客様毎に色々なケースがありますが、割と多く目の当たりにするケースについて書かせていただきました。自社でのUnreal Engine利用について検討されていたり悩まれている方の一助になっていれば幸いです。
Unreal Engineは様々な事に使用できるツールですので有効活用できる環境が作れた場合は多くの利益につながるかと存じます。
Unreal Engine活用に際して弊社でお力になれるようなことがありましたら是非ご相談下さい。
ディプロスはUnreal Engineでこういったものを作っています