Illustrator 作業自動化スクリプトを無料AIで作る

Adobe Illustrator(以下イラレ)のヘビーユーザーの方はご存じかもしれませんが、イラレにはスクリプト再生機能がついており、決められた言語で書かれたプログラムを動かす事でいつも使う作業や何度も繰り返す作業を自動化する事ができます。

スクリプト機能で使用できるプログラム言語は

  • JavaScript(windows/mac)
  • AppleScript(macOSのみ)
  • VBScript(Windowsのみ)

の3種類がありますがJavaScriptが一番幅広い操作ができるようです。

JavaScriptでスクリプトを作成するのはそれなりに知識が必要で、それを作成するための商売も成立していましたが、最近流行りのChat-GPTやCopilotでプログラムが書ける時代になってきたのでAIでイラレ(AI)のスクリプトを作成できます。

Copilotにスクリプトを作成してもらう

とりあえずWindows使いの人は画面下のタスクバーにCopilot(虹色のアイコン)があるのでそれを起動して

AdobeIllustratorで使用するJSXスクリプトを作成してください。新規レイヤー名をBackGroundにしてアートボードサイズの水色の長方形をアートボード上に描画してください。描画された長方形の横方向の中心に1ptの縦線を描画してください。縦線のレイヤー名はCenterLineです。描画後に「アートボードサイズの長方形+センターラインを書きました」の確認ウィンドウを表示してください


上のように、欲しい機能をできるだけ丁寧に伝えます。

今回のは「アートボードサイズピッタリの長方形+センターライン」を作りたくてCopilotにお願いしました。

ちなみに一回で伝えきれなくても大丈夫です。「今作ったスクリプトにこんな機能を足したい」と伝えれば何回でも修正してくれます。

さっきのお願いでCopilotが作成してくれたスクリプトが以下の内容です。

中身の理解はできなくても問題ありません。

// Illustratorのアクティブドキュメントを取得
var doc = app.activeDocument;
var artboard = doc.artboards[0];
var abBounds = artboard.artboardRect;
var abWidth = abBounds[2] - abBounds[0];
var abHeight = abBounds[1] - abBounds[3];

// BackGroundレイヤーの作成
var bgLayer = doc.layers.add();
bgLayer.name = "BackGround";

// 水色の長方形の描画
var rect = doc.pathItems.rectangle(abBounds[1], abBounds[0], abWidth, abHeight);
rect.filled = true;
rect.fillColor = makeRGBColor(173, 216, 230); // 水色(RGB値: 173, 216, 230)
rect.stroked = false;
rect.layer = bgLayer;

// CenterLineレイヤーの作成
var clLayer = doc.layers.add();
clLayer.name = "CenterLine";

// 縦線の描画
var centerX = abBounds[0] + abWidth / 2;
var line = doc.pathItems.add();
line.setEntirePath([[centerX, abBounds[1]], [centerX, abBounds[3]]]);
line.stroked = true;
line.strokeWidth = 1;
line.layer = clLayer;

// 確認ダイアログを表示
alert("アートボードサイズの長方形 + センターラインを書きました");

// RGBカラーを作成する関数
function makeRGBColor(r, g, b) {
    var color = new RGBColor();
    color.red = r;
    color.green = g;
    color.blue = b;
    return color;
}

txt形式で保存してJsx形式に変換

上のスクリプトをテキストエディタ(メモ帳等)にコピー&貼り付けをし、txt形式で保存します。

保存されたファイル名をクリックして拡張子を「.txt」→「.jsx」に書き換えます

Windowsから「ファイルが使えなくなるかもしれませんがいいですか?」的な脅しがありますが問題ありませんのでそのまま拡張子を変えてください。

拡張子を変えるとアイコンがスクリプト専用のアイコンに変わります

このアイコンが変わった状態のファイルの場所を覚えておきます

イラレから選択して実行

イラレを起動して

ファイル/スクリプト/その他のスクリプト を選択します。

「Ctrl+F12」でもOKです

ファイル選択画面で先ほど作成した.jsxファイルを選択すると

確認画面が現れて

ちゃんとレイヤーが増えて描画がされます

AIでAIを自動化する(とうとう言っちゃった)

毎回印刷トンボを作成したり、特殊なアートボードを作成したり、同じ文面を毎回打つ必要があったり、大量のファイルに配置されている古いロゴを新しいロゴに置き換える…など、スクリプトを使用した自動化はいろいろ便利にしてくれます。

AIでスクリプトを作成していると自分がプログラマーになった気分にもなれます(笑)

ぜひお試しください。

たまには3D関連ではないネタでした。

RhinocerosやUnrealEngineに関係するお問合せはこちらまで

エンジニアリング事業部からの最新情報をお届けします