3DCADとは何か? 基礎から選び方まで
デジタル上でモデルを設計できる3DCADについて、基礎知識から代表的なソフトの特徴まで初心者の方に向けて分かりやすくご紹介します。
3DCADとは?
そもそも「CAD」とはComputer-Aided Design(コンピュータ支援設計)の略で、製品や建築物などの設計をコンピュータ上で行うためのソフトウェアです。
従来の「手書き図面」や「2D CAD」では、正面図・側面図・平面図といった複数の投影図を組み合わせて形状を表現していました。
これに対して3DCADは、立体そのものをコンピュータ上に構築するものです。
3DCADが使われる分野
機械部品・自動車・家電・建築・家具・プロダクトデザインなど、物を「作る」あらゆる分野で活用されています。近年は3Dプリンターとの連携も一般化し、個人ユーザーにも広まっています。
モデリングの主な機能と流れ
解析等にも使われる3DCADですが、ここではメインとなるモデリング機能に絞って基本的な機能や流れを解説します。
1.スケッチ(2D輪郭の作成)

平面上に線・円・弧などで形の輪郭を描きます。
2.フィーチャー操作(3D形状の生成)

スケッチを押し出す(押し出し)・回転させる(回転)・経路に沿って伸ばす(スイープ)などの操作で立体を生成します。
3.形状の編集・加工

フィレット(角丸め)・シェル(肉厚化)・穴あけなどの加工を加えて、細部を仕上げます。
4.書出し
その後の用途によって適切なデータ形式で書き出して、金型設計や3Dプリント等の後工程へデータを受け渡します。
ソフトによって操作の名称や手順は異なりますが、「スケッチ→立体化→編集」という基本的な流れは多くの3DCADに共通しています。
3. 代表的な3DCADソフト
現在3DCADソフトは非常に多くの種類があり、ソフト毎に得意不得意がある為、求める要件にマッチしたソフトを使うことが重要です。
ここでは例として2つのCADソフトをご紹介します。
SOLIDWORKS
ダッソー・システムズが開発する、世界で最も普及している3DCADのひとつです。パラメトリックモデリングを中心に、シミュレーションや製造管理ツールとの連携が充実しています。機械部品・装置設計に特に強みを持ち、幾何形状のモデリングに特化しています。
Rhinoceros
NURBS(非一様有理Bスプライン)ベースの自由曲面モデリングに特化した3DCADソフト。プロダクトデザイン・建築・ジュエリー・造船・インテリアなど、有機的な形状や複雑な曲面を扱う分野で広く使われています。プラグイン「Grasshopper」によるパラメトリック設計や、建築向けのBIM対応プラグインも充実しており、デザイン系教育機関でも標準的に使用されています。
4.選定時のポイント
どんなCADソフトにも出来ること出来ないことがあり、得意不得意も異なります。
これはソフト毎に設計思想が異なる為、仕方のないことです。
ですので、まずはご自身の業務において3DCADソフトにどういった役割を期待するか整理して頂き、求める機能や強みを持ち合わせたCADを選ぶ、あるいは場面によって使い分けて頂くと最も効率がいいです。
考慮する点として上げてみるなら…
①どんな形状を取り扱うか 幾何形状(※1)か自由曲面か(※2)
②履歴(いわゆるフィーチャー)を残して作業したいか(※3)
③取り扱われるファイル形式に対応しているか
④複雑なAssy部品を取り扱うか(※4)
⑤解析やシミュレーションを行うか
⑥コスト
こういった観点で取捨したり、優先順位をつけて選ぶことになるかと存じます。
※1)ここでは、長さ、半径、角度など数値で定量的に表せる形状のことを指しています
※2)ここでは、人体や自動車のボディ等、有機的で数値で定量的に表すのが難しい形状のことを指しています
※3)フィレット等のデータ編集を履歴として残して遡って変更できる機能です。設計変更に対応する機会の多いケース等で非常に便利な機能になります
※4)Assy(アッシー、アッセンブリ)等と呼ばれる、複数の部品が集まって構成されているもののことを指します。製品開発の現場等では、単一部品単位でモデリングしたバラバラのファイルを、実際の製品と同様に配置して組立された状態のAssyファイルとして集約して管理することが多いです。
この観点で先にお伝えした2つのソフトで考えてみると
SOLIDWORKS
①幾何形状に強いですが、自由曲面は苦手です
②フィーチャーベースで作業できるので、設計変更に対応しやすいです
③代表的なものだとstp,igs,parasolidに対応しており、特にparasolidを取り扱う場合は他の中間ファイルよりも破損が起きにくいメリットがあります
④干渉チェックしたりツリー上でAssyを管理したり、複雑な製品の取り扱いも得意です
⑤それ専門のCADほど高度ではありませんが、解析やシミュレーションにも対応しています
⑥多機能な分、Rhinoceros等に比べると高額です
Rhinoceros
①幾何形状にも対応できますが、自由曲面が最も得意です 自動車外板のように複雑な曲面を持った有機的な形状にも強いです
②履歴は残りません データを手動で残す等の工夫が必要になります
③stp,igs等のメジャーな中間ファイルに対応している他、obj,stlなどのメッシュデータにも対応しています→詳しくはこちら
④SOLIDWORKS等と比べると、干渉チェック等の機能が簡易的なものになります
⑤標準では強度解析等を行うことは出来ません
⑥弊社であれば、買い切りで¥159,500(※26年5月現在)で非常に安価です
実際にお客様が選定される際に、こういった観点にも注目して頂くと検討が進めやすいかもしれません。
最後に
多くのCADソフトは体験版や教育版を提供しています。
ですので、まずは用途に近いソフトのトライアルを試してみることをおすすめ致します。
Rhinocerosであれば、弊社ECサイトから90日間の無償評価版がご利用頂けます。
もし宜しければ実際にお試し頂き、検討にお役立て下さい。



