3Dスキャナの導入をお考えの方へ「自社に合う3Dスキャナの選び方」

はじめに


これまでの記事では、3Dスキャナの基本的な仕組みや活用方法、さらに種類や測定方式の違いについてご紹介しました。

実際に導入を検討する際には、「どのように自社に合った3Dスキャナを選べばよいのか」という点が次の課題になります。

本記事では、導入時に押さえておきたい選定の考え方を踏まえた具体的な選定イメージについてご紹介します。

まずは選定の考え方をおさらい

前回の記事でもご紹介したように、3Dスキャナを選定する際は、まず「目的」と「対象物」の2つを整理することが重要です。

① 目的(何に使うか)

3Dスキャナは、用途によって求められる性能が異なります。

  • 品質検査
  • リバースエンジニアリング
  • 3Dプリンタ用データ作成 など

▶「何に使うか」が選定の出発点になります。

② 対象物(何を測るか)

測定対象によっても、適した機種は変わります。

  • 小型部品
  • 大型構造物
  • 金属・樹脂・複雑形状 など

▶ サイズ・材質・形状が重要な判断材料になります。

この2つの判断軸を整理したうえで、

  • スキャナのタイプ(ハンディ型・据置型など)
  • 測定方式(レーザー方式・構造化光方式など)

といった要素を組み合わせながら、自社に適した機種を絞り込んでいきます。

実際の選定イメージ

ここからは、実際の導入シーンを例に、どのような考え方で機種を選定していくのかをご紹介します。

ケース① 大型部品を現場で測定したい

目的

寸法検査・現物確認

対象物

大型部品・鋳物・設備・車体など

選定のポイント

大型の対象物は測定場所まで運ぶことが難しいケースも多いため、現場で計測できるハンディ型3Dスキャナが適しています。

また、広い範囲を効率よく測定する必要があるため、レーザー方式やトラッキング技術を活用したシステムが選択肢となる場合もあります。

選定イメージ

  • ハンディ型3Dスキャナ
  • 広い測定範囲に対応したレーザー方式
  • 大型ワークではトラッカーシステムとの組み合わせも選択肢

ケース② 精密部品の品質検査をしたい

目的

品質管理・寸法評価

対象物

小型部品・精密加工品・樹脂部品など

選定のポイント

高い寸法再現性が求められるため、精度を重視した機種を選定することが重要です。

対象物が比較的小さい場合は、据置型3Dスキャナや、高精度なハンディ型3Dスキャナが候補になります。

また、CADデータとの比較検査を行う場合は、検査ソフトウェアとの連携も重要なポイントになります。

選定イメージ

  • 高精度なハンディ型または据置型3Dスキャナ
  • CAD比較・検査ソフトに対応したモデル
  • 再現性を重視した計測システム

※据置型も選択肢となりますが、近年は高精度なハンディ型で対応できるケースも増えています。

ケース③ 図面のない部品をCAD化したい

目的

リバースエンジニアリング

対象物

既存部品・金型・保守部品など

選定のポイント

部品全体の形状を正確に取得できることに加え、CADソフトへスムーズにデータを受け渡せることも重要です。

リバースエンジニアリングでは、取得した3Dデータの品質が、その後のCADモデリング作業の効率にも影響するため、用途や必要精度に応じた機種選定が求められます。

選定イメージ

  • 高精度なハンディ型3Dスキャナ
  • CADデータ作成を考慮した高密度スキャン
  • リバースエンジニアリングソフトと連携しやすいシステム

ケース④ 現場で手軽にスキャンしたい

目的

現物確認・データ保存・簡易測定

対象物

設備・部品・文化財・製品サンプルなど

選定のポイント

近年は、PCを接続せず、本体のみでスキャンからデータ確認まで行えるスタンドアロンタイプの3Dスキャナも増えています。

測定場所を頻繁に移動する場合や、ノートPCを持ち込みにくい現場では、このようなタイプが適しているケースがあります。

また、現場で取得したデータをその場で確認できるため、設備保全や出張測定、デジタルアーカイブなど、機動性が求められる用途でも活用されています。

選定イメージ

  • ハンディ型スタンドアロン3Dスキャナ
  • PC不要で計測からデータ確認まで完結できるモデル
  • 携帯性・操作性を重視した機種

予算も重要な選定ポイント

ここまでご紹介したように、3Dスキャナは用途や対象物、運用環境によって適した機種が異なります。

さらに、導入時には予算も重要な判断材料になります。

同じような用途に対応できる機種でも、

  • 求められる精度
  • 測定速度
  • スキャン範囲
  • ソフトウェアの機能
  • ワイヤレス対応やスタンドアロン機能の有無

などによって価格帯は大きく異なります。

そのため、「できるだけ高性能な機種」を選ぶのではなく、必要な性能と予算のバランスを考えながら、自社に適した機種を選定することが大切です。

まとめ


3Dスキャナを選定する際は、「どの機種が高性能か」という視点ではなく、

  • 何に使うのか(目的)
  • 何を測るのか(対象物)

を整理することが第一歩です。

そのうえで、使用環境や必要な精度、予算なども考慮しながら、スキャナのタイプや測定方式を検討することで、自社に適した機種を選びやすくなります。

導入後に「思っていた用途に使えなかった」とならないためにも、まずは自社の目的や測定対象を明確にし、それに合った3Dスキャナを選定することが重要です。

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