3Dスキャナの導入をお考えの方へ「3Dスキャナの種類と特徴|用途に合わせた選び方」

はじめに


前回は、3Dスキャナの基本的な仕組みや、導入によって何が変わるのか、代表的な活用事例についてご紹介しました。

一口に3Dスキャナといっても、実際にはさまざまな種類があり、それぞれ得意とする対象物や用途が異なります。

「精度が高い機種を選べば安心」と思われがちですが、実際には測定対象や目的に適した機種を選ぶことが重要です。

今回は、3Dスキャナにはどのような種類があり、どのような違いがあるのかを、導入時に知っておきたいポイントとあわせてご紹介します。

万能な3Dスキャナは存在しない


まず知っておきたいのは、すべての用途に対応できる万能な3Dスキャナは存在しないということです。

例えば、

  • 小さな精密部品
  • 大型の鋳物
  • 自動車ボディ
  • 光沢のある金属
  • 黒色樹脂

など、測定対象によって適した機種は異なります。

また、

  • 品質検査
  • リバースエンジニアリング
  • CADデータ化
  • 3Dプリンタ用データ作成

など、スキャンデータの使用目的によっても選ぶべき3Dスキャナは変わってきます。

このように、3Dスキャナの選定では「目的」と「対象物」の2つが重要な判断軸になります。

まずはこの2点を整理することで、自社に適した機種の方向性が明確になります。

① まずは「何に使いたいか」を考える

3Dスキャナで取得したデータは主に、下記のような用途で利用されます。

品質管理・寸法検査

取得した3DデータをCADデータと比較し、製品の寸法や形状を評価します。

試作品の評価や量産品の品質管理など、多くの製造現場で活用されています。

リバースエンジニアリング

図面のない部品などを3Dスキャンし、取得したデータをもとにCADデータ化することで、部品の再設計や設計資産のデジタル化に活用されます。

3Dプリンタ・試作・デジタルアーカイブ

取得した3Dデータは、3Dプリンタによる試作品の製作や製品データの保存、CG・VRコンテンツの作成など、さまざまな用途に利用されています。

このように様々な用途で利用されるため、導入を検討する際は、まず「何に活用したいのか」を整理することが大切です。

② 測定対象によって適した3Dスキャナは異なる

3Dスキャナを選ぶ際は、「どのような対象物をスキャンするのか」によっても適した機種が変わります。対象物のサイズや形状、材質、表面状態によって、必要となる測定精度やスキャン方式が異なるためです。

例えば、小型の精密部品と大型の鋳物では、求められる測定範囲や精度が異なります。

また、複雑な形状や深い穴を持つ部品では、スキャナの計測方式やセンサー性能が影響します。

さらに、材質によっても適性は変わります。透明・半透明の素材や、光沢の強い金属表面などは、そのままでは計測が難しい場合があり、スキャン条件の調整や前処理が必要になることがあります。

このように、3Dスキャナは「どの対象物にも同じように使える機器」ではなく、測定対象に応じて適した方式や性能を選ぶことが重要です。

3Dスキャナのタイプ

対象物や使用環境の違いにより、3Dスキャナにはいくつかの種類があります。

製造業で一般的に使用されるものは、大きく「ハンディ型」と「据置型」に分けられます。

ハンディ型3Dスキャナ


ハンディ型は、スキャナを手で持って対象物の周囲を移動しながら計測するタイプです。

大型部品や設備、自動車部品など、持ち運びが難しい対象物でも現場で測定できる点が特長です。また、自由な角度から測定できるため、複雑な形状にも対応しやすい方式です。

主な用途

  • 大型部品
  • 自動車・輸送機器
  • 鋳物・金型
  • 現場での測定

据置型3Dスキャナ


据置型は、対象物を装置の測定エリアに設置して計測するタイプです。

安定した環境で高精度な測定が可能なため、小型部品や精密部品の検査用途に適しています。

主な用途

  • 精密部品
  • 電子部品
  • 小型樹脂部品

※このほかにも、トラッカー型やフォトグラメトリ搭載したモデルなど、用途に応じた様々な方式があります。

測定方式の違い

3Dスキャナには、形状を取得するための測定方式にもいくつかの種類があります。

代表的なものに「レーザー方式」と「構造化光方式」があります。

  • レーザー方式:レーザー光の反射を利用して距離を計測する方式
  • 構造化光方式:パターン光の変形を解析して形状を取得する方式

それぞれに特徴がありますが、方式そのものだけで性能が決まるわけではありません。

近年の3Dスキャナは、センサー性能やソフトウェア処理の違いにより、同じ方式でも性能や得意分野が大きく異なります。

そのため、方式はあくまで選定要素の一つとして捉えることが重要です。

まとめ


3Dスキャナは種類や方式が多く、それぞれ得意とする用途や対象物が異なります。

「どの機種が高性能か」ではなく、「何を測り、どのように活用するか」を明確にしたうえで、自社に適した機種を選定することが重要です。

次回は、実際の導入検討において重要となる「用途別・対象物別の具体的な選定ポイント」についてご紹介します。

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3Dスキャナの導入をご検討中の方に向けて、基礎知識から選び方までを3回に分けてご紹介しています。

第1回
「そもそも3Dスキャナで何ができる?」
3Dスキャナの基本的な仕組みや、取得できるデータ、代表的な活用事例について解説しています。

▶ 第1回はこちら


第3回
「自社に合う3Dスキャナの選び方」
用途や対象物、運用環境などを踏まえた、実際の選定ポイントについて解説しています。

第3回はこちら


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